オーストラリアの総合インフレ率は4月、予想以上に鈍化したが、コア指標の上昇により追加利上げの可能性が残る結果となった。
オーストラリアの総合インフレ率は4月、予想以上に鈍化したが、コア指標の上昇により追加利上げの可能性が残る結果となった。

オーストラリアの消費者物価の上昇率は、3月の4.6%から4月は4.2%に減速した。一時的な燃料税の引き下げが寄与したものの、基調的なインフレの上昇により、オーストラリア準備銀行(RBA)は引き締め路線を維持している。
「このデータは、紛争に起因する世界的なエネルギーショックの影響がオーストラリア経済に波及し始めており、価格圧力を高め、今年後半の追加利上げリスクを高めていることを示唆している」と、デロイト・アクセス・エコノミクスのパートナー、スティーブン・スミス氏は述べた。
変動の大きい項目を除いたトリム平均年間インフレ率は、3.3%から3.4%に上昇し、コンセンサスと一致した。住宅費は前年比6.3%上昇と最も大きな押し上げ要因となり、政府の補助金終了後に電気料金が22.5%急騰した。運輸費は、連邦政府が4月1日から燃料消費税を半減させたことを受け、前月比2.7%低下したが、前年比では6.6%上昇した。自動車用燃料は4月に7%下落し、3月の33%急騰を一部打ち消した。オーストラリアドルはこの発表を受けて上げ幅を縮小し、トレーダーは6月の利上げ確率を下方修正した。
RBAは今年これまでに3回、合計25ベーシスポイント(bp)の利上げを実施し、キャッシュレートは4.35%となった。市場は年末までにあと1回以上の利上げを織り込んでいる。中銀の5月声明では、総合インフレ率が6月に4.8%でピークを迎えると予測され、財務省は年度半ばに5%のピークを予想している。6月の次回理事会では据え置きが見込まれているが、8月の理事会が次の政策変更の有力なタイミングとして浮上している。
4月の統計は、燃料消費税の半減が実施されてから初めての公表であり、データはこの措置が運輸費に即座に影響を与えたことを示した。しかし、オーストラリア統計局(ABS)は、自動車用燃料価格が、米イラン紛争により原油価格が高騰する前の2月と比較してなお23.5%高いと指摘した。「原油価格上昇の影響は、小包配送や建築資材など、輸送費や物流コストが高い製品やサービスにも見られる」と、ABSの物価統計責任者スー=エレン・ルーク氏は述べた。郵便サービスは年間12.4%上昇し、新築住宅建設は4.7%上昇した。
総合インフレとコアインフレの乖離は、RBAにとって課題となっている。総合指標は3月の4.6%、2月の3.7%から低下傾向にあるが、トリム平均指標は2カ月連続で加速している。年間インフレ率は、エネルギーショック以前の2025年6月の1.9%から、1月には3.8%まで上昇しており、中銀は紛争勃発時点ですでにキャッチアップを迫られていた。
オーストラリアのトリム平均インフレ率が3.3%を超えたのは、2023年後半以来である。当時RBAは25bpの利上げで応じ、キャッシュレートを当時のピークである4.35%に押し上げた。現在のレートはその水準に一致しており、今回のデータは政策担当者がさらなる利上げを必要とする可能性を示唆している。市場運営者がまとめたプライシングデータによると、翌日物金利スワップは11月までに25bpの利上げが行われる確率を約60%織り込んでいる。
家計にとっては、その影響は直接的である。RBAによる今年の3回の利上げにより、変動型住宅ローン金利はすでに7%を超えており、中銀の試算によれば、さらに利上げが行われれば、標準的な60万豪ドルのローンで毎月の返済額が約100豪ドル増加する。消費者信頼感はこれを受けて弱まっており、小売支出もここ数カ月で軟化している。
RBAの次回の政策決定は6月16日で、その後8月4日の理事会では四半期ごとの経済見通しが発表される予定だ。エコノミストは理事会が6月は据え置きとしつつも、インフレが予想通りに抑制されなければ追加引き締めの可能性が残るとのシグナルを発すると予想している。
本記事は情報提供のみを目的としており、投資助言を構成するものではありません。