日銀は基準金利を30年ぶりの高水準に引き上げ、世界最後のマイナス金利政策からの決定的な転換を果たした。エネルギー主導のインフレが中央銀行に行動を強いている。
日銀は基準金利を30年ぶりの高水準に引き上げ、世界最後のマイナス金利政策からの決定的な転換を果たした。エネルギー主導のインフレが中央銀行に行動を強いている。

日銀は基準金利を30年ぶりの高水準に引き上げ、世界最後のマイナス金利政策からの決定的な転換を果たした。エネルギー主導のインフレが中央銀行に行動を強いている。
日銀は22日、政策金利を25ベーシスポイント引き上げ1%とした。1995年以来の高水準で、イラン紛争によるエネルギーコストの高騰が卸売物価を3年ぶりの高水準に押し上げたことが背景にある。
「日銀は数十年に及ぶ異例の緩和策の後、ようやく正常化に向かっているが、そのペースは石油主導のインフレがどの程度の速さで消費者物価に波及するかに左右されるだろう」と第一生命経済研究所の首席エコノミスト、長浜敏弘氏は指摘する。「国債購入の減額を一時停止したことは、市場の混乱をなお懸念していることを示唆している。」
決定を受けて円は1ドル=130.35円と0.3%下落した。一方、長期金利の指標である10年国債利回りはやや低下。日銀が4月以降の月間国債購入額を約2兆円に固定する決定を下したことで、長期金利への上昇圧力が緩和された。ビットコインは一時6万5600ドルを下回った後、6万6000ドルまで回復。金融引き締めと日銀のハト派的な国債市場譲歩が相殺された形だ。
市場が80~97%の確率で織り込んでいた今回の利上げにより、日本の政策金利は1990年代以来初めて、持続的にゼロを上回ることになる。長年にわたり安価な円をグローバル資産に流していた円キャリートレードは巻き戻しに向かう。次回7月の金融政策決定会合では、植田和男総裁が国債市場の混乱を招くことなく引き締めを継続できるかどうかが試される。
日本の卸売物価は5月に前年同月比で6%超上昇し、3年ぶりの速い伸びを記録した。イラン紛争により中東の供給ルートが混乱し、原油輸入コストが上昇したことが要因だ。4月の消費者物価指数(総合)は1.4%上昇と、なお日銀の目標である2%を下回っており、日銀には超緩和政策からの出口を調整する余地が残されている。
国債購入の減額を見送り、月間の国債購入額を約2兆円に固定する決定は、利上げに対するハト派的なバランス措置となった。短期政策の引き締めと同時に長期金利に上限を設けることで、日銀は政府の借入コスト上昇に対する懸念を認識した格好だ。日本の公的債務はGDP比で250%を超えている。
日銀が最後に金利を1%に引き上げたのは1995年で、当時は資産バブル崩壊の余波に日本がなお苦しんでいた時期だった。その引き締めサイクルはデフレが定着したことで短期間で反転された。今日の状況はそれとは大きく異なり、日銀は過熱する経済を冷ますためではなく、インフレを抑制するために利上げを行っている。
世界市場にとって、日本のゼロ金利時代の終焉は、円キャリートレードの重要な柱を除去することを意味する。円キャリートレードでは、投資家は円で低利で借り入れ、海外の高利回り資産を購入していた。これらのポジションの巻き戻しは、日銀がどの程度のペースで追加利上げに動くかに応じて、新興国通貨やリスク資産に今後数カ月でボラティリティをもたらす可能性がある。
本記事は情報提供のみを目的としており、投資助言を構成するものではありません。