ピエール・ヤレド氏が9カ月にわたり務めてきたホワイトハウス経済諮問委員会(CEA)の代行委員長を退任し、指名候補のクリストファー・フェラン氏が指揮を執る道を開く。
ピエール・ヤレド氏が9カ月にわたり務めてきたホワイトハウス経済諮問委員会(CEA)の代行委員長を退任し、指名候補のクリストファー・フェラン氏が指揮を執る道を開く。

ホワイトハウス経済諮問委員会(CEA)の代行委員長を務めるピエール・ヤレド氏が、就任から9カ月で退任すると、トランプ大統領が25日に発表した。恒久的な委員長に指名されたクリストファー・フェラン氏の上院承認手続きが最終段階に入る中での交代となる。
コロンビア大学の国際ビジネス教授であるヤレド氏は、大学に復帰するとトランプ大統領はソーシャルメディアへの投稿で述べた。大統領はヤレド氏とCEAの「ブレインネック」チームが「米国を再び富裕にするため、大成功を収めつつ昼夜を問わず働いてきた」と称賛。ただしヤレド氏の最終勤務日については明言しなかった。
「昨年9月以来、私の経済諮問委員会はコロンビア大学の非常に高く評価されているピエール・ヤレド教授によって率いられてきた」とトランプ氏は述べた。
ヤレド氏は、前CEA委員長スティーブン・ミラン氏の副委員長を務めた後、2025年9月にトランプ氏がミラン氏を連邦準備制度理事会(FRB)理事に任命した際に代行役を引き継いだ。ミラン氏のFRBとCEAの二重役職は、中央銀行の独立性を曖昧にするとして一部議員から批判を浴びた。ミラン氏は今年初めにCEAを離れ、5月にはFRBを退任し、トランプ氏が新たに任命したFRB議長ケビン・ウォーシュ氏に議席を譲った。
大統領に経済政策を助言するホワイトハウス機関であるCEAは、承認された常任トップ不在の状態が約1年にわたり続いている。トランプ大統領は4月21日、ミネソタ大学の経済学教授でミネアポリス連邦準備銀行の長期顧問を務めるクリストファー・フェラン氏を後任に指名。フェラン氏の公聴会は6月25日ごろに上院銀行・住宅・都市問題委員会で行われ、承認プロセスの最終段階に入っている。
公聴会では、エリザベス・ウォーレン上院議員が実質賃金やインフレに関連する経済指標についてフェラン氏を追及したと、関係者が明らかにした。このやりとりは、承認されればフェラン氏が物価安定と購買力の間でいかなるトレードオフを迫られるかを予見させるものとなった。
このリーダーシップ交代は、トランプ大統領の第2期政権下で経済が複合的な圧力に直面する中で行われた。昨年課された高関税と春季のイランとの戦争がインフレを押し上げる一方、移民取り締まりの強化が労働市場にさらなるストレスをもたらしている。雇用は底堅く推移し、昨年成立した減税措置は個人消費を下支えしている。人工知能(AI)ブームは企業投資の波を呼び込み、成長を後押ししている。
市場にとって、CEAトップの交代は政策の方向性転換を示唆するものではないとみられる。フェラン氏が承認されれば、マクロ経済データをインフレ、賃金、雇用、財政戦略に関する政策提言に翻訳する助言役を引き継ぐことになる。公聴会ではデジタル資産政策に関する議論は行われず、政権の上級経済諮問機関が従来のマクロ経済指標に引き続き注力していることが示唆された。
本記事は情報提供のみを目的としており、投資助言を構成するものではない。