イーサリアムの週間下落が拡大。日銀が31年ぶりの高水準に利上げしたことで、暗号資産(仮想通貨)市場全体にリスクオフの流れが広がった。
イーサリアムの週間下落が拡大。日銀が31年ぶりの高水準に利上げしたことで、暗号資産(仮想通貨)市場全体にリスクオフの流れが広がった。

イーサリアム(ETH)はアジア・セッション中に4%下落し、1,620ドルとなった。日本銀行(BOJ)が政策金利を1.0%に引き上げたことで、国際的にリスク資産の金融環境が引き締まったためだ。これは1995年以来の高水準となる。
大手暗号資産取引所のデリバティブ(金融派生商品)ストラテジストは「日銀のタカ派転換は、暗号資産(仮想通貨)のバリュエーションを支えてきた世界の流動性の重要な源泉を取り除くものだ。ETHはマクロのリスク選好との相関が高く、特に影響を受けやすい」と指摘した。
6月16日午前3時19分(UTC)に発表された25ベーシスポイント(bp)の利上げにより、日本の政策金利は0.75%から1.0%に引き上げられた。イーサリアムの下落はビットコイン(BTC)を上回り、BTCはトレーダーが日銀のハト派的な国債買い入れ停止に注目し、0.6%上昇して6万6,000ドルとなった。ETHは2025年8月の史上最高値である4,946ドルから現在65%下落している。
売り浴びせにより日足チャートにはベアフラッグパターンが形成され、測定された目標値は1,300ドル近辺となっている。この水準は2024年11月以来となる。1,600ドルを下回ればこのパターンが確定する一方、1,680ドルを超えて回復すれば弱気相場の兆候は無効となる。
日銀の決定後のビットコインとイーサリアムの間の乖離は、暗号資産がマクロ経済のショックにどのように反応するかにおける構造的な変化を浮き彫りにしている。ビットコインは、日銀が国債買い入れの段階的縮小を停止し、長期金利を抑えてリスク資産を支援する決定をしたことで恩恵を受けた。対照的にイーサリアムはレバレッジ(てこ)ポジションからの売り圧力に直面、CryptoQuantのデータによると、売り浴びせの数日前にバイナンスのETH先物の建玉(OI)がETH建てで史上最高を記録していた。
焦点は1,300ドルの水準
ETHの日足チャートに現れたベアフラッグパターンは、1,600ドルのサポート水準が割れた場合、1,300ドルへの下落を目標としている。このパターンは今月初めに1,550ドル圏からの急反発後に形成されたもので、高値が切り下がり、平行するトレンドラインが保ち合いの後にブレイクダウン(下放れ)する可能性を示唆している。日足のRSIは30に位置し、明確に弱気圏にあるが、反転を示すダイバージェンスは見られない。
オンチェーンデータによると、Santimentの調べでイーサリアムの非空欄ウォレットは約1億9,500万に達し、ビットコインの5,900万から230%増加している。これはネットワーク採用の拡大を示唆するが、現在のマクロ主導の売り局面において価格サポートには結びついていない。
ETHの次の試金石は1,680ドルのレジスタンス水準だ。この水準を明確に上抜ければ、テクニカル的な見通しは強気に転じ、ショートカバーを誘発する可能性がある。それがなければ、最も抵抗の少ない経路は引き続き下方向であり、次の主要な下値目標は1,300ドルとなる。
本記事は情報提供のみを目的としており、投資助言を構成するものではない。