主なポイント:
- チリのエル・アブラ鉱山には約200億ポンドの回収可能な銅資源が存在
- バグダッド拡張により年間2億〜2.5億ポンドの生産増加が見込まれる
- インドネシアのクチン・リアルは2030年までに日量13万トンの鉱石処理を目標
主なポイント:

フリーポート・マクモラン(Freeport-McMoRan Inc.)は、世界の銅ポートフォリオ全体にわたる一連の拡張プロジェクトを進めており、これにより年間数億ポンドの生産能力が追加される可能性がある。同社は電化やAIインフラの整備に伴う需要増を取り込む態勢を整えている。
主なポイント:
LME銅は金曜日に1トン当たり9,800ドル近辺で取引され、年初来で12%上昇している。供給制約と、送電網やデータセンター建設からの需要拡大が価格を支えている。3大陸にまたがるフリーポートの拡張パイプラインは、次なる生産拡大局面を狙う。
「フリーポートの有機的成長パイプラインの規模は業界最大級であり、今後10年の生産軌道を大きく変える可能性があるプロジェクト群だ」と、エジェン(Edgen)の商品アナリスト、オマー・タリク氏は指摘する。「実行力が需要波を捉える鍵となるだろう。」
チリ北部のエル・アブラでは、フリーポートは約200億ポンドの回収可能な銅と推定される大規模な硫化鉱床の調査を完了した。同社は、世界最大級の銅山の一つであるペルーのセロ・ベルデ鉱山の選鉱設備と同規模の大型ミルプロジェクトを評価している。
アリゾナ州では、フリーポートはサフォード/ローン・スター事業所で大規模な硫化鉱拡張の可能性を評価するためのプレF/S(事前実現可能性調査)を進めており、2026年の完了を目標としている。同じくアリゾナ州のバグダッドでは、技術・経済性調査により、選鉱能力を2倍以上に拡大し、年間2億〜2.5億ポンドの銅生産を追加できる可能性が確認された。
クチン・リアル、日量13万トンを目標
PTフリーポート・インドネシアでは、世界最大級の銅・金鉱床であるグラスベルグ地区内でクチン・リアル鉱体の開発を進めている。2025年に完了した調査では、クチン・リアルの設計能力を日量13万トンの鉱石処理に引き上げる機会が確認され、低い限界費用で埋蔵量が約20%増加する見込みだ。生産 ramp-up は2030年に開始される予定である。
同業各社の拡張競争が激化
フリーポートのパイプラインは、同業他社の大規模拡張計画と並行して進んでいる。サザン・カッパー(Southern Copper Corp.)はペルーでティア・マリア、ロス・チャンカス、ミチキジャイの各プロジェクトを進めており、BHPグループは3月、チリのエスコンディーダ新選鉱所に関する環境影響宣言を提出した。これは44億〜59億ドルの投資で、老朽化したロス・コロラドス工場に代わる新たな年間22万〜26万トンの銅生産能力を目標としている。
国際銅研究会(ICSG)によると、2025年の世界の銅鉱山供給はわずか1%の成長にとどまった。一方、世界最大の生産国である中国の粗銅生産は8%増の1,472万トンに達し、鉱山供給と製錬能力のギャップは拡大している。中国の製錬所向け処理費用(TC)は2026年にゼロまで低下し、銅精鉱の構造的な供給不足を反映している。
フリーポートが拡張プロジェクトを計画通りに遂行できるかどうかが、送電網の近代化、電気自動車の普及、AIデータセンター建設から生まれる需要成長の不均衡なシェアを獲得できるかどうかの鍵を握る。国際エネルギー機関(IEA)は、これらの分野で2040年までに年間600万トンの追加銅需要が発生する可能性があると試算している。
本記事は情報提供のみを目的としており、投資助言を構成するものではない。