主なポイント:
- 退職者は貯蓄を年支出の50倍にすると心配がなくなる
- 1793年以降の米国株の30年実質リターン平均は6.2%だが、4%を下回ることも
- 現役時代の毎年の所得の20%を貯蓄に回すのが最低目標
主なポイント:

従来の退職後のアドバイスの多くは間違っている――。新しい著書で、自分自身がどんな人間かを知ることの方がどんな貯蓄計算式よりも重要だと主張する2人の著者がそう語る。
退職者が資金を使い果たす心配から完全に解放されるのは、保有資産が年間支出の50倍に達した時点だ――。Edward McQuarrie氏とWilliam Bernstein氏が近刊の著書でこう主張し、従来の退職計画の常識に挑戦している。
「投資ポートフォリオが年間支出の50倍あれば、資金が尽きるかどうかを心配しなくて済む」と、サンタクララ大学名誉教授(経営学)のMcQuarrie氏と、神経内科医で投資アドバイザーでもあるBernstein氏は共同インタビューで語った。
1793年以降の米国株の30年実質リターンの平均は約6.2%だが、1995年初めまでの30年間の年率実質リターンはわずか4.3%だった。あらゆる30年期間を通じて、株式の実質リターンが年率4%を下回る確率は約8分の1であることが、McQuarrie氏の調査で示されている。
50倍ルールとは、年間4万ドルを支出する退職者には200万ドルの貯蓄が必要だという意味であり、現役時代の年収の少なくとも20%を毎年貯蓄することを求める水準だと両氏は指摘。目標に達しない場合、市場のパフォーマンスが不調に終わったり、退職後の期間が予想より長引いたりすると、誤差の許容範囲は大幅に縮小する。
ほとんどのプランナーが無視する「性格」の問題
両氏の主な主張は、退職計画は表計算ソフトではなく、自己認識から始めるべきだというものだ。支出を嫌い、老後資金が尽きるのを恐れる人は、恥ずかしがらずに支出を抑えるべきだと述べる。一方、貯蓄に苦痛を感じ、資産を謳歌したい人は、強い市場リターン、良好な健康状態、平均より短い寿命といった、すべてが思い通りに運ぶ必要があるという。
「BMW、高級スーツ、バーキン・バッグはライフスタイルの選択ではない」とBernstein氏は述べた。「それらはIQテストだ」
同書『Retirement: How to Save Enough, Invest It Well, and Make Your Money Last』は2026年3月の発売予定。
20%ルールと運の要素
若い世代の労働者に対して、両氏は現役生活中の毎年、所得の少なくとも20%を貯蓄することを推奨している。これは規律だけでなく、良好な市場環境も必要とする水準だ。また、収入が増えた際の生活水準の上昇(ライフスタイル・インフレ)にも警戒を促す。
「収入が大きく増えても、以前と同じように暮らし続けること」こそが、「退職後の貯蓄計画を加速する」最善の方法だと、McQuarrie氏とBernstein氏は記している。
退職間近または退職後の人にとって鍵となるのは柔軟性だ。支出の削減は、最終的にコントロールを維持する手段であり、市場環境に関係なく退職者を一定の支出水準に固定する硬直的な引出しルールには警鐘を鳴らしている。
「謳歌」のリスク
退職後の生活を最大限楽しみたい人には、最も高いリスクが伴う。寿命が予想より長引いたり、市場のリターンが平均を下回ったりすれば、貯蓄を使い果たす可能性がある。
両氏は「葬儀屋への支払いをできる限り間際にまで引き延ばす」ことを目標とすることに警鐘を鳴らし、そのようなアプローチはすべてが計画通りに進んだ場合にのみ機能すると警告している。
本記事は情報提供のみを目的としており、投資助言を構成するものではない。