Thrive Capitalは、同社のAI仮説が未上場のユニコーン企業以外にも適用されると賭け、暴落した上場株式を買い入れています。
Thrive Capitalは、同社のAI仮説が未上場のユニコーン企業以外にも適用されると賭け、暴落した上場株式を買い入れています。

ジョシュア・クシュナー氏率いるThrive CapitalがShopifyに約1億ドルの出資を行いました。OpenAIやStripeといった未上場の巨人を支援することで知られる同ベンチャーキャピタルにとって、公開市場への投資は稀なケースです。この動きは、今年株価が約40%下落したこの電子商取引企業に対し、人工知能が再び成長を加速させることができるという確信を示唆しています。
ブルームバーグの報道によると、Thriveは利害関係者に対し、今回の投資はAIがコマース分野でどのように利益を牽引できるかについての賭けであると伝えたとのことです。同社は、基盤となるAI企業を支援したのと同じ理論の延長として今回の買収を位置づけており、成長の鈍化を理由に株価が売られた上場企業にそれを適用しています。
今回の投資は、直近の決算発表を受けてShopifyの株価が急落した直後に行われました。第1四半期の売上高は前年同期比34.3%増の31億7,000万ドルと好調でしたが、第2四半期のガイダンスでは成長率が約27.5%に減速することが示唆されました。この見通しに、予想を下回る営業利益予測が加わり、株価は急落しました。Thriveはこの売りを買いの機会と見ているようで、2022年に経営不振だったオンライン自動車販売のCarvanaで行った5億2,200万ドルの利益を生んだ取引を彷彿とさせます。
投資家にとって、Thriveの賭けは、市場がShopifyの潜在能力を誤認しているかどうかの試金石となります。リスクは、AmazonやTemu、そして新たなAIネイティブプラットフォームからの競争が激化する中で、成長の減速が構造的なトレンドの始まりである可能性です。潜在的な見返りは、Thriveの1億ドルが、AIを動力源とする新たな成長サイクルの瀬戸際にある企業への初期投資になることです。
Thriveは、AccelやAndreessen Horowitzなど、公開市場に進出している一流ベンチャーキャピタルの増加傾向にあるグループの一員です。投資顧問業者として登録されているこれらの企業は、同じファンドを未上場と上場の両方のポジションに使用することができます。スタートアップの上場までの期間が長期化し、OpenAIのような企業の未上場時の評価額が短期的な上昇余地を制限するレベルまで急騰している現在、この戦略は一般的になっています。
このような環境下では、52週高値から46%近く割り引かれたShopifyのような上場企業は、数千億ドルの評価額がついた未上場のユニコーン企業よりも、魅力的なリスク調整後リターンをもたらす可能性があります。
今回の投資は、Shopifyが「エージェンティック・コマース(自律型コマース)」と呼ぶ取り組みを後押しするものです。この戦略は、マーチャント(加盟店)をAIチャットプラットフォームに直接統合し、消費者がAIアシスタントとの会話を通じて商品を発見・購入できるようにすることに重点を置いています。
Shopifyは、同プラットフォーム上のAI主導の注文が2025年に前年比15倍に増加したと報告しました。同社は、消費者の行動が従来の検索エンジンからAIとの対話へとシフトするにつれ、マーチャントとこれらの新しいプラットフォームを繋ぐインフラが極めて重要になると賭けています。Thriveの投資は、Shopifyの現在の成長率への信任投票ではなく、このAI主導のシフトがオンライン小売の経済性を根本的に再構築する可能性に対する信頼の証です。
本記事は情報提供のみを目的としており、投資勧誘を目的としたものではありません。