ドル・円相場は2カ月連続で上昇し、1986年以来の水準に到達。マクロの政策格差が商品価格下落を覆す展開となっている。
ドル・円相場は2カ月連続で上昇し、1986年以来の水準に到達。マクロの政策格差が商品価格下落を覆す展開となっている。

ドル・円相場は2カ月連続で上昇し、1986年以来の水準に到達。マクロの政策格差が商品価格下落を覆す展開となっている。
USD/JPYは162.50付近まで上昇し、1986年以来の高値を更新。原油価格の下落やリスク選好の減退にもかかわらず、ドル高が持続している。
「ドルは典型的な商品相関に逆らっている。その背後にあるのは、FRBと日銀の金融政策格差だ」と、東京の大手銀行の為替ストラテジストは指摘する。「市場はFRBの利下げサイクルの遅延を織り込みつつある一方、日銀は緩やかな正常化のみを示唆しており、金利差はドル優勢の状態を維持している」。
同ペアは先週、40年超ぶりの高値となる162.78を一時記録した後、やや反落した。日本は11.7兆円の円買い介入を実施したが、トレンドを覆すには至らず、マクロのファンダメンタルズが逆方向を指す中での単独通貨 intervention の限界が浮き彫りとなった。この上昇は、同期間にWTI原油が下落したにもかかわらず継続しており、ドル高と商品価格下落の間の典型的な逆相関を打ち破っている。
トレーダーは現在、次の主要なカタリストとして今週発表予定の米雇用統計(NFP)に注目している。強い結果が出れば、FRBがより長期にわたって高金利を維持するとの見方が強まり、USD/JPYは165方向へ押し上がる可能性がある。一方、予想を下回れば、市場が円安継続に大きく傾いているだけに、ここ数カ月で最大の調整局面を招く可能性もある。
介入は円安阻止に失敗
日本の財務省は合計11.7兆円の介入実施を確認したが、ドル・円相場は上昇を続けた。介入の効果のなさは構造的な変化を浮き彫りにしている。すなわち、米日金利差が大きい限り、介入による円高は一時的なものにとどまる可能性が高い。米10年債利回りは4.2%超を維持している一方、日本の10年債利回りは1%近辺に抑えられており、グローバル投資家にとってキャリー取引の魅力は続いている。
NFPデータが次のカタリストに
7月のNFP発表は、米雇用市場が利下げを正当化するほど冷え込んでいるかどうかの最も明確なシグナルとなる。コンセンサス予想では前月からの減速が見込まれているが、上方サプライズがあれば最近のドル高を裏付ける材料となる。底堅い米国経済と、低調な成長と緩やかなインフレ上昇にとどまる日本経済との格差が、相場の方向性を引き続き左右している。
持続的なドル高は世界市場に広範な影響を及ぼす。新興国通貨はドル高による新たな圧力に直面する一方、商品輸出国はドル高と原材料価格下落の二重の逆風に悩まされている。日本にとっては、円安が輸出競争力を高める一方で輸入コストを押し上げ、すでに生活費の上昇に苦しむ家計や中小企業を圧迫している。
本記事は情報提供のみを目的としており、投資助言を構成するものではない。