主なポイント:
- ウォルマート、トランプ氏の要請を受け牛ひき肉価格を約15%値下げ
- 牛ひき肉価格、2021年1月以来約70%上昇
- 関税による価格上昇を警告していた従来方針からの転換
主なポイント:

ドナルド・トランプ大統領は、ウォルマートが政権の要請に応じ、複数製品の価格引き下げに同意したと発表した。この動きは、2026年の中間選挙を前にインフレを巡る政治論争の構図を変える可能性がある。
ウォルマートは、トランプ政権から米国建国250周年に関連して要請を受け、牛ひき肉1ポンドの価格を約15%引き下げ、その他製品のコストも削減する。トランプ大統領が月曜日に明らかにした。
「ウォルマートは特に、牛ひき肉1ポンドの価格を約15%引き下げる。その他多くの製品についても同様だ」とトランプ氏はTruth Socialへの投稿で述べた。「これは、賢明にもウォルマートで買い物をする何百万もの米国人にとって大きな成果だ。ウォルマートは真に愛国的な企業であり、米国を愛している」
この発表の背景には、牛ひき肉価格の急騰がある。セントルイス連邦準備銀行がまとめた労働統計局のデータによると、牛ひき肉価格は2021年1月のジョー・バイデン大統領就任以来、約70%上昇している。100%牛ひき肉の全国平均価格は、5月時点で1ポンド当たり6.75ドルとなり、2021年1月の3.97ドル、およびトランプ氏が再任した2025年1月の5.55ドルから上昇した。5月の数値は4月の6.90ドルから2.2%低下したものの、トランプ氏が主張する15%の広範な下落には依然として程遠い。
この値下げ公約は、2025年5月のトランプ氏の姿勢から大きく転換したものだ。当時トランプ氏は、関税政策によるコスト増加分を価格に転嫁せざるを得ないと警告したウォルマートを公に批判し、「ウォルマートは関税を吸収すべきだ」と投稿していた。ウォルマートのCFOジョン・デビッド・レイニー氏がCNBCに対し「これほど短期間にこれほど価格が急騰した局面は見たことがない」と述べた後の出来事だった。インフレ率が3年ぶりの高水準で推移し、2026年の中間選挙が迫る中、政権は物価の手頃さに関して成果を示すよう圧力に晒されている。
関税政策と消費者物価の衝突
トランプ氏の関税政策は、貿易目標と消費者コスト低減の公約との間に根深い緊張を生み出してきた。全米に4600以上の店舗を持つ国内最大の食料品小売企業であるウォルマートは、関税関連コストを完全に吸収することはできず、一部を消費者に転嫁せざるを得ないと従来から示唆していた。ホワイトハウスは月曜日の発表を、7月4日の独立記念日250周年に関連した自主的な愛国的ジェスチャーとして位置付けた。トランプ氏はまた、原油価格が「急速に下落している」とし、ガソリン、卵、処方薬の価格も下落していると主張したが、これらの主張に対する具体的なデータは示さなかった。同氏は他の小売業者に対しても「これらの真の愛国者に追随するよう」促した。
データが示す実態
公式統計が示す状況は、大統領の投稿が示唆するほど単純ではない。牛ひき肉価格は月次ベースで4月の6.90ドルから5月の6.75ドルへと2.2%低下しているものの、持続的な15%の削減を達成するには、5月の水準から1ポンド当たり約1.01ドルの値下げが必要となり、一時的なプロモーションを別にすれば近年の歴史に見られない規模である。ウォルマートにとって、この価格引き下げは財務上の含意を持つ。最新の年次報告書によれば、同社の食品部門は年収益6800億ドルの約56%を占める。牛ひき肉のような主要タンパク質カテゴリーでの15%の値下げは、米国食品事業の粗利益率を圧迫する可能性がある。同事業はすでに、食品業界に典型的な一桁台の薄利で運営されている。
ウォルマートが公約を実行し、他の小売業者も追随すれば、実質家計支出力の測定可能な改善につながる可能性がある。しかし、値下げが持続不可能であることが判明したり、中間選挙後に撤回されたりすれば、政治的な反発は深刻なものになり得る。次回の月次CPIレポートは8月13日に公表され、食料品価格が実際に下落しているかどうかについて初めての独立した評価が示されることになる。
本記事は情報提供のみを目的としており、投資助言を構成するものではない。