主なポイント:
- ウェルズ・ファーゴはS&P500の年末目標を7300から7950に引き上げた。
- 米イラン和平合意と好調な収益見通しが修正の要因。
- エバコアISIは同指数が最高9000に達する可能性を指摘。
主なポイント:

ウェルズ・ファーゴはS&P500の年末目標を7300から7950に引き上げた。米イラン和平合意と改善する収益見通しを背景に、米国株に強気の見方を示すウォール街の動きが相次ぐ中での決定となった。
「イランとの暫定和平枠組みは、バリュエーションに重しとなっていた主要なマクロ不確実性を軽減する」とウェルズ・ファーゴの株式ストラテジストは顧客向けノートに記した。アナリスト陣は現在、夏場の「オールラリー」を予想し、「AI関連銘柄には上昇余地がある」と指摘。今年のFRBによる潜在的な利上げは「すでに織り込み済み」との見方を示した。
新たな目標値は、S&P500の直近水準である約7500から約6%の上値余地を示唆する。同指数は週明けに米国とイランの週末の和平枠組み合意を受けて上昇したが、その後ハイテク株の下落を受けて反落した。市場は企業収益が予想を上回っていることや、人工知能関連銘柄を巡るセンチメント改善に支えられている。
今回の目標修正は、他社による同様の動きに続くものだ。エバコアISIのアナリストは、スペースXの大型株式市場デビューが「強気相場の次の局面」を引き起こし、S&P500を最高9000に押し上げる可能性があると分析。UBSは先月、目標を7500から7900に引き上げた。ダン・アイブス氏率いるウェドブッシュのアナリストは、スペースXのIPOをテクノロジー分野にとって「ゴルディロックス的な結果」と評価し、「テク株を保有するゴーサイン」と呼んだ。
こうした強気見通しは、金融政策の複雑な環境を乗り切ろうとするFRBの動きと並行している。FRBは6月17日の会合で政策金利を3.50%〜3.75%で据え置いたが、政策委員会メンバーの約半数は年内に少なくとも1回の利上げを予想している。新たにFRB議長に就任したケビン・ウォーシュ氏は、金融市場が政策決定にどう反応するかについて「特に興味はない」と述べ、コミュニケーション戦略の転換を示唆した。
ウェルズ・ファーゴのアナリストは、中間選挙を前に歴史的なパフォーマンス傾向や、AIの進歩を抑制する可能性のある政策措置への懸念を踏まえ、より防御的な姿勢に転じる可能性があると警告した。UBSのアナリストも、ホワイトハウスがAnthropicの最新モデルへの海外アクセスを制限する新たな政策指令を発表したことで、AIセクターへの規制リスクが高まっていると指摘した。
投資家にとって、今回の目標引き上げは、根強いインフレや地政学的不確実性にもかかわらず、米国株に対する機関投資家の確信が依然として強いことを示している。市場にとって次の大きな試練は7月のFOMC会合となる。そこで示される金利決定と最新の経済見通しが、2026年下半期の相場見通しを左右することになる。
本記事は情報提供のみを目的としており、投資助言を構成するものではない。