習近平主席は、2027年の中国人民解放軍創設100周年までに世界的水準の軍隊を構築するよう求め、国防費の持続的拡大を示唆した。
習近平主席は、2027年の中国人民解放軍創設100周年までに世界的水準の軍隊を構築するよう求め、国防費の持続的拡大を示唆した。

習近平国家主席は、2027年の人民解放軍(PLA)創設100周年までに同軍を世界水準の軍隊へと育成するよう求め、中国の国防費の持続的増加とインド太平洋全域における地政学的リスクの高まりを示唆した。
「強国には強軍が不可欠であり、強軍のみが国家安全を確保できる」と、中国共産党中央委員会の習近平総書記は水曜日、人民大会堂で行われた党創立105周年記念式典で述べた。
中国の国防予算は2025年に1.78兆元(2450億ドル)に達し、前年比7.2%増となり、6%を超える伸びは11年連続となった。公式予算文書によれば、これは過去11年連続の6%超の成長となる。習氏は、軍事近代化の取り組みは、政治的な忠誠心、技術革新、法改正、人材育成を包含すると述べた。PLAは、人工知能、極超音速、海上戦力投射などの分野で米国との能力格差を埋めようとしている。
2027年(PLA創設100周年)への時間軸の加速は、台湾(中国が軍事活動を強化している地域)や、日本からオーストラリアに至る地域の防衛予算にとっての重要度を高めている。中国航空工業集団(AVIC)や中国船舶集団(CSSC)などの中国防衛関連企業は、継続的な調達から恩恵を受けると予想され、半導体サプライチェーンには地政学的リスクプレミアムの上昇圧力がかかっている。
中国がこれほど大規模な軍事近代化の指令を発したのは、2017年に習氏が第19回党大会で「2つの100年目標」を設定して以来となる。それ以降、中国の国防費は年平均7%増加しており、ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)によると、過去5年間のうち4年間で名目GDP成長率を上回っている。2027年目標はPLA創設100周年に合わせて設定されており、国防アナリストは、この固定された期限が空、海、宇宙、サイバーの各領域にわたる調達サイクルの加速を促すと指摘している。
香港上場の防衛関連株は、軍事支出の増加期待からここ数セッションで上昇している。ハンセン防衛セクター指数は年初来で12%上昇し、ハンセン指数全体の4%上昇をアウトパフォームしている。A株市場では、中航沈飛(AVIC Shenyang)と中国船舶海洋工程(CSSC Offshore & Marine Engineering)が2026年にそれぞれ15%以上上昇した。50の軍事関連銘柄を追跡するCSI国防指数は今年18%上昇し、2020年以来の上半期最高のパフォーマンスを記録している。
防衛株、支出見通しを背景に上昇
中国の防衛関連企業は、複数年にわたる調達サイクルに向けて準備を進めている。中国の主要戦闘機メーカーであるAVICは、上半期の純利益が14%増の128億元となったと報告し、J-20ステルス戦闘機および輸送機の受注増加を理由に挙げた。国営造船大手のCSSCは、受注残が過去最高の3200億元に達し、水上戦闘艦および潜水艦の契約が牽引役となった。ミサイル開発企業である中国航天科工集団(CASIC)は、年次報告書で極超音速兵器システムの生産を加速していると発表した。
地域の防衛力学が変化
軍事的拡大は世界のサプライチェーンにも影響を及ぼす。防衛用途向けの先端チップを生産する台湾積体電路製造(TSMC)は、中国の軍事近代化加速に伴い、監視の目が厳しくなっている。米国は中国の軍事AI能力を標的とした半導体輸出規制を強化しており、商務省は2024年以降、140の中国企業・団体をエンティティリストに追加している。3月に発表された米国防総省の2026年中国軍事力報告書は、中国の核弾頭備蓄量が現在の約600発から2030年までに1000発に達する可能性があると推定している。
日本はこれに対応し、2026年度の防衛予算を過去最高の8.7兆円(580億ドル)に増額した。オーストラリアは統合投資プログラムの下、今後10年間で540億豪ドル(360億ドル)をコミットしている。韓国、フィリピン、ベトナムも防衛近代化計画を加速させており、地域的な武器調達サイクルが、各国の国内サプライヤーに加え、米国や欧州の防衛関連企業にも恩恵をもたらしている。米インド太平洋軍は2027年度予算として150億ドルを要求しており、これは12%の増加で、地域全体の戦力態勢改善に充てられる。
投資家にとっての重要な論点は、中国が経済減速の中でも国防費の7%超の成長を維持できるかどうかである。2026年第1四半期の名目GDP成長率は4.2%に減速し、パンデミック期を除けば2023年以来の低水準となったことから、財政能力への疑問が生じている。中国の国防予算のGDP比は約1.3%であり、米国の3.4%やNATO基準の2%を大きく下回っていることから、北京が他の財政支出よりも軍事支出を優先するのであれば、さらなる増額の余地があることを示唆している。
本記事は情報提供のみを目的としており、投資助言を構成するものではない。