武田の2025年度第2四半期業績、予想を下回る
武田薬品工業株式会社 (NYSE:TAK) は、2025会計年度第2四半期決算を発表し、調整後純利益は2016億円(約13.1億ドル)となりました。この数字は米国預託株式(EPADS)1株あたり43セントに相当し、アナリスト予想の44セントを下回りました。円換算では、1株あたり利益は4.5%減の128円となりました。四半期の総売上高は75.2億ドル(1兆1800億円)に達しましたが、コンセンサス予想の80.8億ドルには届きませんでした。
2025会計年度上半期の総売上高は、6.9%減少(為替変動調整後で3.9%減)し、2兆2200億円となりました。同期のコア営業利益は11.2%減の6392億円となり、同社の財務業績に対する広範な圧力を反映しています。
後発医薬品浸食と各セグメントの業績への影響
武田の上半期業績低迷の主な要因は、注意欠陥・多動性障害(ADHD)治療の主要薬であるVyvanseの著しい後発医薬品浸食でした。神経科学分野の売上高は、この競争の直撃を受け、第2四半期に33%急落し、975億円となりました。
その他のセグメントも様々な結果を示しました。
- ワクチン売上高は21.1%減の202億円でした。
- 希少疾患の売上高は2.7%の小幅な減少で1841億円でした。
逆に、いくつかのセグメントは回復力と成長を示しました。
- 消化器系売上高は2%増の3535億円でした。
- 癌治療薬売上高は4.3%増の1491億円でした。
特筆すべきは、武田の自己免疫疾患治療薬である**エンタイビオ (Entyvio)**が引き続き好調な実績を上げていることです。2025年度第1四半期において、エンタイビオの売上高は2340億円(15億ドル)となり、前年同期比で7.6%増加しました。この薬は、潰瘍性大腸炎とクローン病の両方において米国で主導的な地位を維持しています。また、**光線力学療法 (PDT)**事業も今年度中程度の1桁成長が見込まれており、免疫グロブリンとアルブミンは高い1桁成長を示しています。
通期見通し修正と広範な市場背景
第2四半期決算発表後、武田は2025会計年度の通期見通しを修正しました。同社は現在、コア売上高を以前のガイダンスである4兆5300億円からわずかに下方修正し、4兆5000億円と予想しています。コア営業利益は1兆1400億円から1兆1300億円に調整され、コア利益は1株あたり485円から479円に修正されました。報告された1株あたり利益は、以前の予測から32.9%大幅に削減され、現在97.14円と予測されています。これらの修正は主に、為替変動の影響、細胞療法プラットフォームに関連する減損費用、およびエンタイビオ (Entyvio)の改訂された予測に加えて、後発医薬品との競合による米国でのVyvanse売上高の予想以上に急激な減少を反映しています。
後発医薬品浸食による課題にもかかわらず、武田がオンコロジーに注力していることは、急速に拡大するグローバル市場と一致しています。がん治療市場全体は、罹患率の増加と先進治療への需要の高まりにより、堅調な成長を遂げています。2025年の予測では、米国だけでも200万件以上の新規がん症例と61万8000人の関連死が示されています。ジョンソン・エンド・ジョンソンやノバルティスなどの主要な製薬会社は、この分野に多額の投資を行っており、2025年第2四半期には顕著なオンコロジー販売成長を報告しています。武田のがん治療薬売上高における4.3%の成長は、その「新たな高潜在力オンコ」パイプラインと相まって、この成長トレンドの中に位置付けられています。
**光線力学療法 (PDT)**市場もまた、明るい見通しを示しています。2024年に約53億ドルと評価された世界のPDT市場は、2032年までに104億ドルに達すると予測されており、年平均成長率(CAGR)は8.8%を示しています。特に米国市場は、2024年の14.2億ドルから2034年までに約28.4億ドルに成長すると予想されており、CAGRは7.18%です。この堅調な市場拡大は、武田のPDT事業にとって有利な環境を提供します。
今後の見通し
投資家は、Vyvanseの後発医薬品浸食の継続的な影響を乗り越えつつ、エンタイビオ (Entyvio)の継続的な成長と開発中のオンコロジーおよびPDTパイプラインを活用する武田の能力を注意深く監視するでしょう。修正された通期ガイダンスは短期的な逆風を浮き彫りにしていますが、がんや消化器疾患などの高成長治療分野への戦略的集中と新製品開発は、長期的な業績にとって依然として重要です。今後の経済報告、パイプラインの進展、主要治療分野における競争動向が、武田の株価パフォーマンスと投資家心理に影響を与える重要な要因となるでしょう。